6/20(火)〜7/6(木)料金:1000円〜1600円
初期から現在までの変遷を通して
特異な作家の現在地を探る
最初期・転換期・現在期の
代表的作品9本をセレクト
『小説家の映画』公開記念
長編27作目『小説家の映画』が2022年ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員大賞)を受賞。実に3年連続銀熊賞受賞の快挙を果たしたホン・サンス。 ホン・サンスは、独自のスタイルを持ちながらも、長いキャリアの中で、作風を大きく変化させてきた作家でもあります。いま新たなステージに入りつつあるホン・サンス監督の最初期から転換期そして現在期を振り返ることで、この現代を代表する世界的映画作家が進んでいる道筋を探ります。
1998年/韓国/109分/DCP上映/配給:A PEOPLE
出演:オ・ユノン、ペク・チョンハク
©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD
ホン・サンス監督の長篇第2作で、そのスタイルの原点。同じ時に同じ場所を訪れていながらまったく出会うことのない元恋人同士が経験する、似ているようで微妙に違う出来事と心の変化を2部形式でディテール豊かに見せる。
友人たちと共に、自然豊かな江原道(カンウォンド)へと遊びにきた大学生イ・ジスク。親切な警察官と知り合った彼女は、しばらくした後、再び彼に会うため、江原道を訪ねる。
2000年/韓国/126分/DCP上映/配給:A PEOPLE
出演:イ・ウンジュ、チョン・ボソク、ムン・ソングン
©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD
ホン・サンス監督の長篇第3作。男女それぞれの記憶をもとに出会いからセックスへと至るまでの心情と行動が美しいモノクロ映像で描かれていく。
ホテルの部屋で恋人ヤン・スジョンを待っているキム・ジェフン。画廊を経営する彼は、テレビ番組のディレクターのクォン・ヨンスと一緒に展覧会を訪れた構成作家のスジョンと出会い、恋に落ちたのだった。一方、ジェフンからの電話を自宅で受けたスジョンも、2人のこれまでを振り返っていた。
2015年/韓国/121分/DCP上映/配給:クレストインターナショナル
出演:チョン・ジェヨン、キム・ミニ、コ・アソン
第68回ロカルノ国際映画祭 金豹賞(グランプリ)受賞、主演男優賞(チョン・ジェヨン)受賞。
運命的に出逢った男女が、「タイミング」の違いによってたどりつく、2つのラスト。恋の天国と地獄をそれぞれ描いてみせる、異色のラブストーリー。
予定より一日早く水原(スウォン)に到着してしまった映画監督のチュンスは、魅力的な女性ヒジョンに出会う。二人はコーヒーを飲み、人生について語らい、お酒も入ってほろ酔い加減でいい雰囲気になるのだが……。
2017年/韓国/91分/DCP上映/配給:クレストインターナショナル
出演:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、キム・セビョク、チョ・ユニ
第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品。
働く女性が社長の愛人と間違えられたことから起こる騒動を、美しいモノクロ映像で描いた人間ドラマ。男と女の可笑しみ。そこはかとなく漂うユーモアが理不尽な世の中を突き破る。
小さな出版社で働きはじめた女性アルムだが、アルムの出社初日に社長夫人がやって来て彼女を夫の愛人だと決めつける。その夜、社長の本当の愛人である前任者がひょっこり戻ってきたことから、事態は思わぬ方向へ。
2017年/韓国/69分/DCP上映/配給:クレストインターナショナル
出演:キム・ミニ、イザベル・ユペール、チョン・ジニョン
第70回カンヌ国際映画祭スペシャルスクリーニング部門。
本作が撮影されたのは、2016年のカンヌ映画祭。イザベル・ユペールとキム・ミニは、共にコンペティション部門出品の映画の上映でカンヌに来ていた。その機会を利用したわずか数日の撮影で、このチャーミングな映画は生まれた。
女癖の悪い映画監督、監督と男女の関係にある映画会社の女社長、監督と火遊びしてしまった映画会社の社員。虚実ないまぜの設定でそれぞれの思惑が交錯する。
2017年/韓国/101分/DCP上映/配給:クレストインターナショナル
出演:キム・ミニ、クォン・ヘヒョ、チョン・ジェヨン
第67回ベルリン国際映画祭 主演女優賞(キム・ミニ)。
ポール・ヴァーホーヴェン率いるベルリン国際映画祭審査員団から主演女優賞(銀熊賞)を贈られたキム・ミニは、ホン・サンス監督のミューズとして、世界にその存在を印象付けた。舞台は二つの海岸都市、ハンブルクと江陵(カンヌン)。
不倫スキャンダルにより、キャリアを捨て異国に逃げてきたヨンヒは、訪ねてくると言ったまま姿を見せない恋人を待ちながら、自分の真意が分からずにいる。
2020年/韓国/77分/DCP上映/配給:ミモザフィルムズ
出演:キム・ミニ、ソ・ヨンファ、ソン・ソンミ、キム・セビョク、イ・ユンミ、クォン・ヘヒョ、シン・ソクホ、ハ・ソングク
© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
第70回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞。2020年カイエ・デュ・シネマ誌が選ぶベストテン2位、2021年キネマ旬報外国語映画ベスト・テン第11位に輝いた注目作。
一見たわいない会話、登場人物の気まぐれな行動を通して、愛や結婚、さらには人間や人生の本質をユーモアと詩情豊かに描き出していく。ガミは、5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中に、ソウル郊外の3人の女友だちを訪ね歩いて行く。
2021年/韓国/66分/DCP上映/配給:ミモザフィルムズ
出演:シン・ソクホ、パク・ミソ、キム・ヨンホ、イェ・ジウォン、ソ・ヨンファ、キム・ミニ、チョ・ユニ、ハ・ソングク
© 2020 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
第71回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(脚本賞)受賞。
紹介、入門、導入、序文など、そこに込められた全ての意味を内包したと監督が語るタイトル「イントロダクション」、そして観る者の想像力を豊かに押し広げる語りを通して、ままならない人生の中でもがく、未熟な若さゆえの痛みと愛おしさを、モノクロームで詩情豊かに紡いだ青年ヨンホをめぐる三つの物語。
2021年/韓国/85分/DCP上映/配給:ミモザフィルムズ
出演:イ・ヘヨン、チョ・ユニ、クォン・ヘヒョ、シン・ソクホ、キム・セビョク、ハ・ソングク、ソ・ヨンファ、イ・ユンミ
© 2021 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
第74回カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション。2022年キネマ旬報外国語映画ベスト・テン第10位。
韓国歴代の名監督とタッグを組んできた大女優イ・ヘヨンがホン・サンス作品に初主演。観る者の心を揺さぶる圧巻のパフォーマンスでミステリアスかつ複雑な主人公を体現し、2022年国際シネフィル協会賞主演女優賞を受賞した。長いアメリカ暮らしから突然、妹ジョンオクの元を訪ねて韓国へ帰国した元女優のサンオク。母親が亡くなって以来、久しぶりに家族と再会を果たすが、帰国の理由を妹には明らかにしない。
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