7/7(金)〜7/20(木)料金:1000〜1700円
チェコ最後の女性死刑囚
22歳のオルガ、心震える実話。
ある日、彼女は自分の中の
悪魔を解き放った。
チェコ映画界の新鋭トマーシュ・ヴァインレプとペトル・カズダとの両監督は、オルガの人生と犯罪に関する事実に基づいたロマン・ツィーレク 原作「Ja,Olga Hepnarová(10)」を元に脚本を手掛けた。本作は、オルガの人格や行動を擁護することも、伝記映画にありがちな感情的な演出もあえて排除し、ドキュメンタリー的リアリズムによる長編デビュー作となった。撮影監督は、イエジー・スコリモフスキ監督『エッセンシャル・キリング』(10)で名を馳せたポーランドの名手、アダム・スィコラ。硬質な映像でオルガの見た冷たい無機質な世界観を見事に築く。チェコ、ポーランド、スロバキア、フランスの資金調達により、7年もの歳月をかけて映像化した本作は、16年ベルリン国際映画祭パノラマ部門のオープニング作品として選出された。権威ある世界三大映画祭のスタートを切る作品として上映されるや、高い評価とともにその悲劇的な物語に会場は静寂が支配したという。17年には、カルト映画のレジェント、ジョン・ウォーターズ監督が年間ベスト映画の一作品として本作をピックアップ、世界的注目を浴びた。
2016年/チェコ・ポーランド・スロバキア・フランス/チェコ語/105分/B&W/5.1ch/1:1.85/原題:Já, Olga Hepnarová 日本語字幕:上條葉月 字幕監修:ペトル・ホリー
監督・脚本:トマーシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ
出演:ミハリナ・オルシャニスカ、マリカ・ソポスカー、クラーラ・メリーシコヴァー、マルチン・ペフラート、マルタ・マズレク
銀行員の父と歯科医の母を持つ経済的にも恵まれたオルガ。父親に何度も殴られ、厳格な母親に育てられ、13歳のとき、大量の精神安定剤を服用し自殺未遂を起こす。精神病院の女子病棟に収容されるや、激しいリンチをうける。1年間の入院後、居場所がないオルガは家族から逃げ出すため、人里離れた小屋に移り住む。自立の為にタイヤの倉庫で働き、トラック運転手としての技能を身につける。そこで出会った美しいイトカに、自分と同じようにエキセントリックさを見出し惹かれていく。自分のセクシュアリティに気づいたオルガは、すぐさま彼女と深い関係になる。情熱的な関係も束の間、あっさりと捨てられる。またも孤独のどん底へと突き落とされたオルガは自らを「性的障害者」と呼び、酒とタバコに溺れ、女たちと次々、肌を重ねる。しかし、苦悩と疎外感を抱えたままの精神状態はヤスリで削られていくかのように、一層、悪化していくのだった。然して、自分の内なる悪魔を解き放つ運命のときは、刻一刻と近づいていくのだった…。
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