12/8(金)〜12/21(木)料金:1000円〜1800円
代表作『アンダーグラウンド』、
幻のデビュー作『ドリー・ベルを覚えているかい?』
を含む3作品を一挙上映!
ヴェネチア映画祭新人監督賞に輝くクストリッツァのデビュー作
『ドリー・ベルを覚えているかい?』
映画史にその名を刻む、クストリッツァ衝撃の代表作
『アンダーグラウンド』
アメリカ映画への憧憬と高い芸術性が見事に一致した至福の名作
『黒猫・白猫』
エミール・クストリッツァ Emir Kusturica
1954年、旧ユーゴスラヴィアのサラエヴォ(現在はボスニア・ヘルツェゴビナの首都)生まれ。少年時代はサッカーとロックに明け暮れ、見かねた両親によってチェコのプラハ国立映画学校に留学させられる。同校で才能を開花させ、81年に発表した『ドリー・ベルを憶えているかい?』でヴェネチア映画祭新人監督賞を受賞し鮮烈なデビューを飾る。二作目の『パパは、出張中!』(85)がカンヌ映画祭パルム・ドール、『ジプシーのとき』(89)が同映画祭監督賞、ジョニー・デップを主演に迎えた『アリゾナ・ドリーム』(93)がベルリン映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)、そして『アンダーグランド』(95)が二度目のカンヌ映画祭パルム・ドールと、新作を発表する度に国際映画祭で主要賞を獲得。奇想天外な着想と唯一無二の映像感覚で傑作を連打する欧州最大の映画作家。その他の監督作に『黒猫・白猫』(98)、『ライフ・イズ・ミラクル』(04)、『オン・ザ・ミルキー・ロード』(16)など。自身が率いるバンド、エミール・クストリッツァ&ザ・ノー・スモーキング・オーケストラでも活躍中。
鑑賞料金
◯一般 ¥1,800
◯ご近所さん割(江東区・墨田区に在住or在勤or在学の方) ¥1,500
◯U25割(25歳以下)・シニア割(60歳以上) ¥1,200
◯障がい者割 ¥1,000
※各種割引の適用には証明できるものをお持ちください
原題 : Do You Remember Dolly Bell?
1981年/ユーゴスラヴィア/カラー/109分
監督:エミール・クストリッツァ
出演:スラヴコ・シュティマッツ、スロボダン・アリグルディチ、ミラ・バニャツ、リリャナ・ブラゴイェヴィチ
©Filmski Centar Sarajevo
★日本劇場初公開!
旧ユーゴスラビアのサラエヴォで家族と暮らす少年ディーノ。生活は苦しいのに共産主義を信奉する父親は、酔っぱらって帰ってきては子供たちを集めて政治談議。その様子を見て日々のやりくりに疲れた母親はいつもあきれ顔。でもディーノはそんなものには一切興味がなく、夜な夜な離れの小屋にある自室にこもって、うさぎのペロを相手に催眠術の猛特訓。さらには地域の若者を集めてバンドを組むことになり、演奏の練習も始まった。ある日のこと。外国映画に登場するストリッパー、“ドリー・ベル”に心奪われたディーノは、町のごろつきシントルから見知らぬ女を匿ってほしいと頼まれる。なんと彼女の名は“ドリー・ベル”! 一つ屋根の下で暮らすことになったふたりは、いつしか惹かれ合うようになり……。
クストリッツァの長編デビュー作にして第38回ヴェネチア国際映画祭で新人監督賞、国際映画批評家連盟賞を受賞した傑作がついに日本初公開。楽しみといったら地元の集会所で同世代の仲間と集まるくらい。そんな冴えない生活を送るディーノが恋を知り、人生を学び、大切な人との別れを通して、やがて踏み出す大人への第一歩。魅力的なキャラクターと音楽、ちょっぴりのペーソスと限りないユーモアにあふれた、まさにクストリッツァらしい人間賛歌が繰り広げられる。決して希望を失わないディーノを演じるのは、『アンダーグラウンド』で動物園の飼育係、『ライフ・イズ・ミラクル』では息子を捕虜にとられた父親とクストリッツァ作品には欠かせない役者となるスラヴコ・シュティマッツ。少年から大人へと変わる一瞬にして永遠の時間を、瑞々しい感性と猥雑なまでのエネルギーで描き切った傑作青春ストーリー。
原題:UNDERGROUND
1995年/フランス、ドイツ、ハンガリー/カラー/171分
出演:ミキ・マノイロヴィッチ、ラザル・リストフスキー、ミリャナ・ヤコヴィッチ、スラヴコ・シュティマッツ
監督:エミール・クストリッツァ
©1995 Ciby 2000-TF1 STUDIO
★4Kデジタルリマスター版、日本劇場初公開!(Strangerでは2Kでの上映となります)
1995年、カンヌ国際映画祭で上映された一本の作品が世界中の度肝を抜いた。映画界の超異端児クストリッツァが祖国・旧ユーゴスラヴィアの50年にわたる悲劇の歴史をブラックなファンタジーとして再構築したこの作品は、国が崩壊してしまった悲劇を愛と狂気で生き抜いた人たちの姿を通して描いた大傑作として熱狂的に迎えられ、テオ・アンゲロプロスの『ユリシーズの瞳』やケン・ローチの『大地と自由』といった強敵を抑え見事パルムドールを獲得した。その後約30年、奇想天外で幻想的な映像と思わず踊り出したくなる強烈なビートによる音楽の饗宴が観る者の五感に直接シンクロし、リバイバル上映されるたびに新しいファンを増殖させ続けていった奇跡の映画、それがこの『アンダーグラウンド』である。
ナチス・ドイツ占領下のセルビアを舞台に、レジスタンス(?)として活躍する男のいい加減なアイディアで、敵の目をあざむくために広大な地下空間(アンダーグラウンド)へ避難し、戦争後も人知れず50年もの間生活していた人々。政府の要職についたサギ師、武闘派の電気工事技師、美貌の舞台女優3人による恋と裏切りに満ちた半世紀の物語を軸に、戦争や紛争をカオス的コメディーとして笑い飛ばし、暴力的なまでの力技で20世紀を代表する叙事詩として仕立て上げられた本作。映像と音の一大スペクタクル・ショーとしての魅力はもちろん、戦争によって人々が祖国を追われる現実が続く中、決して色あせない物語として今こそ我々の胸に響くであろう。
原題:CRNA MAČKA, BELI MAČOR
1998年/フランス、ドイツ、ユーゴスラビア、オーストリア、ギリシア/カラー/129分
©1998 PANDORA FILM GmbH & Co KG, CIBY2000, FRANCE 2 CINEM
提供:キングレコード
前作『アンダーグラウンド』が一部で“プロパガンダ” と見当ちがいの批判を受け、引退宣言をしたクストリッツアが起死回生の一本として作り上げた、一発逆転の大傑作!
それまでのスタッフを排し、撮影に名手ティエリー・アルポガスト( 『レオン』『ニキータ』)、音楽にバンド“ノー・スモーキング”のネレ・カライリチを起用。
ドナウ川のほとりにある町を舞台に若者ザーレの恋、ザーレの父とヤクザが企む列車強盗、ザーレの祖父とマフィアの友情等、三世代の物語が入り乱れるヒューマン・コメディー。『カサブランカ』(42)をはじめとした、アメリカ映画への憧憬と高い芸術性が見事に一致した至福の名作。ヴェネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞。
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