3/3(金)〜3/16(木)料金:1000円〜1800円
地上最後の⾃由な魂が解き放たれる・・・
現実を切り裂き、時空を駆け抜けるアメリカン・ニューシネマの雄篇
4Kデジタルリマスターで50年ぶりの爆⾛再公開!
ベトナム戦争渦中のアメリカの衝撃的実態を映し出して60年代に終わりを告げた『イージー★ライダー』(69)から2年、すでにこの国は終わっているという諦念をもって70年代という新しい時代を切り開いた映画『バニシング・ポイント』(71)。60年代末から70年代半ばにかけ、アメリカ映画界を根底から揺るがした<アメリカン・ニューシネマ>を代表する⼀作だ。コロラド州デンバーからサンフランシスコまでの2,000キロを不眠不休、15時間で⾛り切るという、スピードにすべてを賭けた男、コワルスキーの姿を、体制も反体制も超越した、乾ききった精神性で鮮烈に描く。既存の体制や⽂化への反抗や、現実に敗北する主⼈公の姿を描いた多くのニューシネマとは⼀線を画し、何も求めない主⼈公の虚無感が全篇を貫いている。そして、壮絶なカー・チェイスと⾼鳴るロックのなか、コワルスキーの不条理なまでの逃⾛劇は、観る者をかつて辿り着いたことのない次元にまで導いていく。
1971 年|アメリカ映画|カラー|99 分|ビスタサイズ|モノラル|DCP
キューピッド・プロダクション/20 世紀フォックス作品
原題:VANISHING POINT [米国公開:1971 年 3 月 13 日|日本公開:1971 年 7 月 17 日]
病める大国アメリカの衝撃の現実を映し出し、60年代に終わりを告げた『イージー★ライダー』(69)に続き、地上最後の美しき自由の魂を描いて 70 年代という新しい時代を切り開いたアメリカン・ニューシネマを代表する一作。運命に逆らい、社会に逆らい、スピードに何かを見出そうとする男の姿に当時のアメリカ社会に深く根ざしていた闇を投影、もはや体制を相手にしない乾ききった精神性が全篇を支配する。ジャン=ピエール・メルヴィルが好きな映画のひとつに『バニシング・ポイント』を挙げているほか、スティーヴン・スピルバーグはフ ェイバリットであることを公言、その監督作『激突!』(71)や『続・激突!/カージャック』(74)に強い影響を見てとることができる。また、90 年代後半になってイギリスのロックバンド、プライマル・スクリームが本作へのオマージュとして同名のアルバムを発表するなど、その後の世代へも鮮烈な印象を残している。
主演は 20 世紀フォックス社の社長リチャード・D・ザナックの指示で決まった無名のバリー・ニューマン。孤高のドライバー、コワルスキーを表情ひとつ変えずに演じ切った。全篇で使われたクルマはクライスラー社の 70年型ダッジ・チャレンジャーR/T。
20 世紀フォックスの出資を取り付けたイギリス映画界のノーマン・スペンサーとマイケル・ピアソンが製作、監督はニューヨーク出身のリチャード・C・サラフィアン。
<あらすじ>
ファーストネーム不明。ベトナム戦争で名誉勲章、元バイクレーサー、元ストックカーレースドライバー、警官を懲戒免職処分。そしていま、車の陸送を行うコワルスキーは、デンバーからサンフランシスコまでの 1,200 マイルをトップスピード 160 マイルという速度、15 時間で走り切ろうとする。コロラド、ユタ、ネバダ、カリフォルニアの各州警察が面子にかけてもこれを阻止するべく総力をあげて追跡。迫りくる白バイ、パトカーの大群。だがコワルスキーは給油と煙草以外は止まらない。何かに憑かれたように大地を駆けるコワルスキーは、バニシング・ポイントに向かってアクセルを踏み込む。立ち上がるため、立ち去るために・・・。
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