11/17(木)〜12/8(木) 料金:900円〜1700円
大きな岩にザッパーンと打ちつける荒波、そこに現れる三角マーク。一度知ってしまったら病みつきになる熱気と狂気が東映映画にはあります。スクリーンの中で生きることを全うする登場人物たちの姿をぜひ劇場で目撃してください!
数多ある作品の中から、初めての方にも何度目の方にも東映作品が持つエネルギーを堪能して頂ける10本を選りすぐりました。前半5本を「時代劇から任侠映画へ」、後半5本を「実録路線とピンキー・バイオレンス」というテーマにお送りする21日間。
【鑑賞料金】
一般:1700円
ご近所さん割引:1300円
(墨田区・江東区に在住、在勤、在学いずれかの方)
シニア割引:1200円
(60歳以上の方)
障がい者手帳割引:1200円
U25割引:900円
(25歳以下の方)
映画の日割引:12月1日はどなたでも1000円
お願い:
すでに予約購入されたお客様で割引が適用されるお客様は、差額を窓口で返金しますのでお申し出下さい。
ご注意:
各種割引には割引資格を証明する身分証などが必要です。鑑賞の際には忘れずにご持参下さい。
チラシ表記について:
すでに配布済みのチラシには「1700円均一」とありますが、「各種割引あり」に変更となります。ご了承下さい。
1961年/東映京都/カラー/ 110分/DCP上映
監督・脚本:伊藤大輔/原作:大佛次郎/出演:中村錦之助、杉村春子、岩崎加根子、佐野周二、月形龍之介、桜町弘子、東千代之介
家康を父に、今川の血を引く築山御前を母に、そして織田信長の娘を妻に持つ岡崎三郎信康。スケールの大きすぎる家庭内戦争に板挟みになりながらもがき、運命の袋小路に陥る信康の悲劇を大胆かつ繊細に体現した中村錦之助! この映画を見てからというもの、あの信康がもし生きていたらと考えずにはいられません。杉村春子の鬼気迫る築山御前も一度見たら忘れられないでしょう。伊藤大輔監督による荘厳で雄弁な画面に打ち震えます。
1962年/東映京都/カラー/ 109分/DCP上映
監督:内田吐夢/脚本:依田義賢/出演:大川橋蔵、嵯峨美智子、宇佐美淳也、日高澄子、天野新二、月形龍之介、小沢栄太郎
浄瑠璃の『蘆屋道満大内鑑』と清元の『保名狂乱』を題材に恋物語を描いた華麗なる平安絵巻。宮中を舞台とした前半から一転、主人公・保名が正気を失ってからの後半は映画も狂い出します。狐の面を被ったままの登場人物にアニメーション、果ては歌舞伎の舞台セットまで用いる内田吐夢監督の実験的野心に驚愕……! 虚ろになった大川橋蔵の舞もさる事ながら、一人三役を演じた瑳峨三智子が見せる艶にノックアウト必至です。
1963年/東映京都/白黒/ 125分/DCP上映
監督:工藤栄一/脚本:池上金男/出演:片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、西村晃、里見浩太朗、内田良平、水島道太郎、丹波哲郎、月形龍之介、山城新伍
暴君暗殺の密旨を受けた十三人の刺客が、要塞化した宿場町に敵を追い込み仕掛ける罠。白黒画面から匂い立つ生々しいタッチに凄惨な殺陣シーンを盛り込んだ集団時代劇の傑作です。時代劇の大スター片岡千恵蔵を筆頭に嵐寛寿郎、月形龍之介、西村晃などなど敵も味方も名優大集合、ターゲットとなる暴君を演じた菅貫太郎の憎たらしさったら!ラスト30分以上に及ぶ死闘は圧巻、興奮、一瞬たりとも目が離せません!
1966年/東映京都/カラー/ 90分/DCP上映
監督:加藤泰/原作:長谷川伸/脚本:掛札昌裕、鈴木尚之/出演:中村錦之助、池内淳子、中村信二郎、東千代之介、渥美清、三原葉子、清川虹子、阿部九洲男
一宿一飯の義理から縁も恨みもない三蔵を斬った時次郎。女房・おきぬと息子を縁者の元へ送り届けてほしいという三蔵の死に際の頼みによって、殺した相手の妻子と旅を共にすることになるのですが……。互いに惹かれ合っているのにどうする事もできない、惹かれ合っているからこそ葛藤せざるを得ない時次郎とおきぬの二人に心を寄せずにはいられません。全シーンが名シーン、人生で一度は見ていただきたい珠玉の作品です。
1970年/東映東京/カラー/ 92分/DCP上映
監督:マキノ雅弘/脚本:大和久守正/出演:高倉健、池部良、藤純子、加藤嘉、荒木道子、山本麟一、長門裕之、中村竹弥、松原光二、諸角啓二朗
老舗料亭に生まれながら渡世人となった秀次郎と、渡世から足を洗い板前になった風間。料亭を守る為、仁義を通す為に握っていた包丁を長ドスに持ち替え敵方に乗り込みます。「唐獅子牡丹」をバックに着流し姿の二人が並ぶ道行のこの恍惚! マキノ雅弘監督自身かなり愛着があると語る本作、銀杏の木の下で出会う藤純子、山本麟一演じる観音熊との展開も見逃せません。Stranger近辺の深川エリアが舞台となっている作品でもあるのです!
1974年/東映東京/カラー/ 88分/DCP上映
監督:野田幸男/原作:篠原とおる/脚本:神波史男、松田寛夫/出演:杉本美樹、郷鍈治、室田日出男、三原葉子、岸ひろみ、丹波哲郎、荒木一郎、戸浦六宏
任務遂行の為なら手段を選ばない刑事・杉本美樹。赤いコートを翻し赤い手錠(しかもロングチェーン!)で獲物を狙い、表情一つ変えずに仕事をこなすその姿……もう、とにかく格好いいのです。狂気が服を着たような郷鍈治の顔圧に三原葉子の食い様・死に様ももちろん必見。誘拐事件の被害者となった令嬢・岸ひろみがラストに投げかける視線の行く先、そこに流れる杉本美樹の主題歌に自分の心も奮い立ってしまいます。
1975年/東映東京/カラー/ 94分/DCP上映
監督:深作欣二/原作:藤田五郎/脚本:鴨井達比古、松田寛夫、神波史男/出演:渡哲也、梅宮辰夫、多岐川裕美、池玲子、芹明香、田中邦衛、成田三樹夫、ハナ肇、安藤昇
実在のやくざ石川力夫の生涯を描いた究極の実録作品。自分の親分まで切り付けてしまう剥き出しの凶暴性にほとほと嫌になりながらも、物語が進むにつれ凄みを増す破滅的で病的な渡哲也に引き込まれずにはいられません。ポキッポキッと妻の骨を食べるその異様な迫力!『仁義なき戦い 広島死闘篇』で恋に落ちた成田三樹夫の無言の圧力、三者三様に描かれた女性たちにも注目。『仁義なき戦い』より仁義のない世界がここにあります。
1975年/東映京都/カラー/ 101分/DCP上映
監督:深作欣二/脚本:笠原和夫/出演:菅原文太、松方弘樹、梅宮辰夫、池玲子、佐野浅夫、山城新伍、金子信雄、小松方正、成田三樹夫、川谷拓三
舞台は架空の地方都市。暴力班の悪徳刑事・菅原文太と地元のやくざ・松方弘樹の強い結びつきが、県警+政界+暴力団の癒着による大きな悪に飲み込まれていき……。警察とやくざ、どちらがどちらかわからないほどにエスカレートする暴力! 語り種となっている川谷拓三の取り調べシーンでは、お願いだからその辺にしてあげて……!と止めに入りたくなります。抜かりないエリート警部補・梅宮辰夫のちゃっかり具合にあっぱれ!
1975年/東映東京/カラー/ 96分/DCP上映
監督:鈴木則文/脚本:鈴木則文、澤井信一郎/出演:菅原文太、愛川欽也、あべ静江、加茂さくら、関根勤、春川ますみ、田中邦衛、織本順吉、夏八木勲
菅原文太と愛川欽也による大人気シリーズ。〈泣く〉〈笑う〉〈手に汗握る〉という東映京都の娯楽映画三原則をとことん追求したという則文監督、その言葉通り見せ場の洪水で息つく暇がありません。主人公・桃さんの旧式な女性感にグーパンチしたくなる時もありますが、登場人物一人一人、トラック一台一台に向けられる眼差しに涙も……。どこまでも続くトラックの行列に、ありがとう!!と心の中で叫ばずにはいられませんでした。
1976年/東映京都/カラー/ 95分/DCP上映
監督:中島貞夫/脚本:高田宏治、神波史男/出演:松方弘樹、千葉真一、渡瀬恒彦、新藤恵美、室田日出男、尾藤イサオ、矢吹二朗、梅宮辰夫、成田三樹夫、地井武男
撮影&公開当時、進行形で事件が起きていたという実録路線の問題作。沖縄に進出してきた本土側暴力団との、さらには地元やくざ内部での血で血を洗う残虐な争いに見ている方もへとへとに。抑えに抑えた中里・松方弘樹の怒り、そして一人沖縄を背負って立つ国頭・千葉真一から溢れ出すエネルギーが! 熱くて火傷しそう! ギラギラの裸身で見せる沖縄空手の舞、襲撃される直前まで歌う民謡「PWの歌(PW無情)」が焼き付きます。
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